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論文

Comparison on safety features among HTGR's Reactor Cavity Cooling Systems (RCCSs)

高松 邦吉; 舩谷 俊平*

Proceedings of 2023 International Congress on Advanced in Nuclear Power Plants (ICAPP 2023) (Internet), 17 Pages, 2023/04

受動的安全性を持つRCCSは、大気を冷却材として使用するため、冷却材を喪失することはないが、大気の擾乱の影響を受けやすいという欠点がある。そのため、大気放射を利用したRCCSと、大気自然循環を利用したRCCSを実用化するためには、想定される自然災害や事故状態を含むあらゆる状況下で、原子炉からの発熱を常に除去できるのかについて安全評価を実施する必要がある。そこで本研究では、2種類の受動的RCCSについて、熱除去のための受動的安全性の余裕(裕度)について同一条件で比較した。その結果、提案した大気輻射を利用したRCCSは、外気(大気)の擾乱に対して原子炉圧力容器(RPV)の温度を安定的に維持できる利点を明らかにすることができた。さらに、RPV表面から放出される廃熱をすべて利用できる方法も提案した。

論文

Comparisons between passive RCCSs on degree of passive safety features against accidental conditions and methodology to determine structural thickness of scaled-down heat removal test facilities

高松 邦吉; 松元 達也*; Liu, W.*; 守田 幸路*

Annals of Nuclear Energy, 162, p.108512_1 - 108512_10, 2021/11

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)

受動的安全性を持つRCCSは、大気を冷却材として使用するため、冷却材を喪失することはないが、大気の擾乱の影響を受けやすいという欠点がある。大気放射を利用したRCCSと、大気自然循環を利用したRCCSを実用化するためには、想定される自然災害や事故状態を含むあらゆる状況下で、常に原子炉からの発熱を除去できるのか、安全性を評価する必要がある。本研究では、2種類の受動的RCCSについて、熱除去のための受動的安全性の大きさを同一条件で比較した。次に、自然災害により自然対流による平均熱伝達率が上昇するなどの偶発的な条件をSTAR-CCM+でシミュレーションし、除熱量の制御方法を検討した。その結果、受動的安全性に優れ、伝熱面の除熱量を制御できる、大気放射を利用したRCCSが優れていることを明示できた。最後に、自然対流と輻射を再現するためにスケールダウンした除熱試験装置の肉厚(板厚)を決定する方法を見出し、加圧室及び減圧室を用いた実験方法も提案した。

論文

Estimation of the core degradation and relocation at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station Unit 2 based on RELAP/SCDAPSIM analysis

間所 寛; 佐藤 一憲

Nuclear Engineering and Design, 376, p.111123_1 - 111123_15, 2021/05

 被引用回数:6 パーセンタイル:72.21(Nuclear Science & Technology)

Estimation of the final debris distribution at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant (1F) is inevitable for a safe and effective decommissioning. It is necessary to clarify possible failure modes of the reactor pressure vessel (RPV), which is influenced by the thermal status of slumped debris that highly depends on the in-vessel accident progression. The accident analysis of 1F Unit 2 (1F2) was conducted using the RELAP/SCDAPSIM code. One of the unsolved issues of 1F2 is the mechanism of three pressure peaks measured through late Mar. 14 to early March 15, 2011. Comparing the results of previous boiling water reactor (BWR) core degradation experiments and that of 1F2 numerical analysis, it can be estimated that most relocated metallic materials had solidified at the core bottom at the onset of first pressure peak. It is likely that the pressure increase occurred due to the evaporation of injected water reaching the heated core plate structures. Between the first and second pressure peaks, the water is assumed to have been injected continuously and the water level was likely to have recovered to BAF at the initiation of the second pressure peak. Probable slumping of a certain amount of molten materials initiated the second pressure peak and the subsequent gradual pressure increase continued possibly due to massive reaction between coolant and remaining Zircaloy in the core. Assuming the closure of the safety relief valve (SRV) at 0:00 on Mar. 15, the third pressure peak was well reproduced in the analysis.

論文

Comparison between passive reactor cavity cooling systems based on atmospheric radiation and atmospheric natural circulation

高松 邦吉; 松元 達也*; Liu, W.*; 守田 幸路*

Annals of Nuclear Energy, 151, p.107867_1 - 107867_11, 2021/02

 被引用回数:1 パーセンタイル:16.35(Nuclear Science & Technology)

受動的安全性を備えた新しい炉容器冷却システム(RCCS)を提案する。RCCSは連続した2つの閉じた領域から構成される。1つは原子炉圧力容器(RPV)を囲む領域、もう1つは大気と熱交換をする冷却領域である。新しいRCCSはRPVから発生した熱を輻射や自然対流によって除去する。最終的なヒートシンクは大気であるため、電気的または機械的に駆動する機器は不要である。RCCSの特徴を理解するために、受動的安全性および除熱量の制御方法について、大気放射を用いたRCCSと大気の自然循環を用いたRCCSを比較した。受動的安全性の大小関係は、熱伝導$$>$$輻射$$>$$自然対流の順である。よって、前者のRCCSは後者のRCCSより、受動的安全性が高いことがわかった。また、除熱量を制御する方法については、前者のRCCSは伝熱面積を変えるだけである一方、後者のRCCSは煙突効果を変える必要がある。つまり、ダクト内の空気抵抗を変える必要がある。よって、前者のRCCSは後者のRCCSより、簡単に除熱量を制御できることがわかった。

論文

Comparative methodology between actual RCCS and downscaled heat-removal test facility

高松 邦吉; 松元 達也*; Liu, W.*; 守田 幸路*

Annals of Nuclear Energy, 133, p.830 - 836, 2019/11

 被引用回数:2 パーセンタイル:21.58(Nuclear Science & Technology)

輻射及び自然対流による受動的安全性を持つ革新的な原子炉圧力容器冷却設備(RCCS)を提案した。このRCCSは、連続した2つの閉空間(RPV周囲にある圧力容器室、大気と熱交換を行う冷却室)から構成される。また、RPVからの放出熱を、できるだけ輻射を用いて効率的に除去するため、今までに無い新しい形状を採用している。さらに、崩壊熱除去を行う際、作動流体及び最終ヒートシンクとして空気を用いることで、それらを失う可能性が大幅に低減される。そこで、本冷却設備の優れた除熱性能を示すために、等倍縮小した除熱試験装置を製作し、実験を開始した。本研究では、実機のRCCSと等倍縮小した除熱試験装置を比較する方法を提案する。

論文

Improvement of heat-removal capability using heat conduction on a novel reactor cavity cooling system (RCCS) design with passive safety features through radiation and natural convection

高松 邦吉; 松元 達也*; Liu, W.*; 守田 幸路*

Annals of Nuclear Energy, 122, p.201 - 206, 2018/12

 被引用回数:3 パーセンタイル:30.05(Nuclear Science & Technology)

輻射及び自然対流による受動的安全性を持つ革新的な原子炉圧力容器冷却設備(RCCS)を提案した。このRCCSは、連続した2つの閉空間(RPV周囲にある圧力容器室、大気と熱交換を行う冷却室)から構成される。また、RPVからの放出熱を、できるだけ輻射を用いて効率的に除去するため、今までに無い新しい形状を採用している。さらに、作動流体及び最終ヒートシンクとして空気を用いることで、崩壊熱除去を行う際、それら作動流体及びヒートシンクを失う可能性が大幅に低減される。本研究では、熱伝導を利用したRCCSの除熱能力の向上を目指した結果、除熱できる熱流束が2倍となり、RCCSの高さを半分に、または熱出力を2倍にすることが可能となった。

論文

Experimental study on heat removal performance of a new Reactor Cavity Cooling System (RCCS)

細見 成祐*; 明石 知泰*; 松元 達也*; Liu, W.*; 守田 幸路*; 高松 邦吉

Proceedings of 11th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-11) (Internet), 7 Pages, 2018/11

受動的安全性を備えた新しい炉容器冷却システム(RCCS)を提案する。RCCSは連続した2つの閉じた領域から構成される。1つは原子炉圧力容器(RPV)を囲む領域、もう1つは大気と熱交換をする冷却領域である。新しいRCCSはRPVから発生した熱を輻射や自然対流によって除去する。最終的なヒートシンクは大気であるため、電気的または機械的に駆動する機器は不要である。RCCSの性能を理解するためにスケールモデルを使用して実験を開始した。ヒーター壁と冷却壁に異なる放射率を設定し、3つの実験を実施した。ヒーターから放出された総熱出力および壁面温度分布に関するデータが得られた。モンテカルロ法を使ってヒーターから放出された総熱出力に対する放射の寄与を評価した。ヒーター壁を黒く塗った場合、総熱出力に対する放射の寄与は約60%まで増加できた。つまり、実機においてRPVの壁面の放射率を高くすることは有効である。同時に、冷却領域の壁面の放射率も高くすれば、大気への放射を増加できるだけでなく、RCCS内の対流熱伝達も促進できることがわかった。

論文

New reactor cavity cooling system using novel shape for HTGRs and VHTRs

高松 邦吉; Hu, R.*

Proceedings of 10th International Topical Meeting on Nuclear Thermal Hydraulics, Operation and Safety (NUTHOS-10) (USB Flash Drive), 12 Pages, 2014/12

東京電力福島第一原子力発電所事故(以下、福島事故)後、深層防護の観点から炉心損傷の防止対策が重要になった。安全上優れた特性を有する冷却設備に関する研究は、極めて重要なテーマである。そこで、動的機器および非常用電源等を必要とせず、福島事故のようにヒートシンクを喪失することのない、受動的安全性を持つ原子炉圧力容器の冷却設備を提案する。本冷却設備は変動がなく、安定して冷却できるため、定格運転時の一部の放出熱、および炉停止後の一部の崩壊熱を、常に安定的に受動的に除去できることがわかった。特に事故時において、本冷却設備が持つ冷却能力の範囲まで崩壊熱が減少した際、それ以降は非常用電源等が必要なくなり、長期間(無限時間)に渡って受動的な除熱が可能となる。

報告書

ナトリウム冷却MOX燃料大型炉心の再臨界回避方策の評価

藤田 朋子

JNC TN9400 2000-038, 98 Pages, 2000/04

JNC-TN9400-2000-038.pdf:7.49MB

実用化戦略調査研究の一環として、有力な候補プラントの1つであるナトリウム冷却MOX燃料大型炉心について、再臨界回避方策の評価を実施した。実証炉の炉心崩壊事故解析等による従来の知見から、流量低下型事象時に炉停止に失敗し、大規模な溶融燃料プールが形成されて初めて、径方向揺動等による燃料の移動集中が生じ、厳しい即発臨界現象に至る可能性があることが分かっている。再臨界の可能性を排除するために、炉心物質の再配置を制御するCMR(Controlled Material Relocation)概念に基づいた再臨界回避方策の候補として、内部ダクト付き集合体、LAB(下部軸ブランケット)一部削除型集合体が提案されている。これらの方策についてSIMMER-IIIコードを用いた予備解析を実施し、CMR有効性の比較検討を行った。検討した候補のうち、内部ダクト付き集合体が最も燃料流出が早く、再臨界回避方策として有力である見通しを得た。LAB一部削除集合体でも、若干燃料流出は遅くなるが有望な候補である。しかしながら、中央ピンにUAB(上部軸ブランケット)を残す場合は、炉心下方でのFCIによって炉心燃料領域内に燃料が再流入するため、炉心性能へ著しい影響を与えない限り、中央ピンのUABも削除する方が良い。中央ピンの燃料軸長の長短が燃料流出挙動に与える影響は小さく、むしろUAB有無の影響が重要である。

報告書

Phase Change Predictions for Liquid Fuel in Contact with Steel Structure using the Heat Conduction Equation

Brear, D. J.

PNC TN9410 98-005, 53 Pages, 1998/01

PNC-TN9410-98-005.pdf:2.09MB

仮想的な炉心損傷事故時において、溶融燃料は燃料集合体ラッパ管等のスティール構造材と接触した場合には、燃料は固化して構造材表面にクラストを形成するとともに、構造材の表面は溶融する可能性がある。このような溶融・固化過程は、燃料の固化挙動、すなわち燃料の炉心からの流出挙動に影響を及ぼす。この場合、燃料およびスティールの中に形成される温度勾配によって、燃料からのスティールへの熱移行速度が計算されることになる。本研究では、初期に液体状態にあるUO2が固体スティールに接触する場合に1次元非定常熱伝導方程式を適用し、最新の物性値を用いることで、燃料クラストの形成およびスティール溶融が生じる条件を予測した。また、その一方もしくは両方の物質が相変化する時の界面温度を計算するための簡易解析手法を作成した。本研究で予測されたスティール溶融条件を既存の実験結果と比較して、モデルの妥当性を確認した。

報告書

高密度比気液二相流に関する研究 -先行基礎工学分野に関する平成7年度報告書-

三島 嘉一郎*; 日引 俊*; 西浦 英晃*; 飛田 吉春

PNC TY9604 96-003, 10 Pages, 1996/05

PNC-TY9604-96-003.pdf:0.34MB

本研究は,高速炉の炉心損傷事故時に炉心に形成される燃料とスティールの混合プールの沸騰挙動の解明に関する基礎研究であり,動燃と京都大学原子炉実験所との共同研究である。内容は溶融低融点金属に気泡注入を行う模擬試験に対して,中性子ラジオグラフィー手法を用いた可視化計測を行って,高密度比気液二相流の気泡径状,動態及びボイド率などの基礎データを取得すると共に,このデータを用いて動燃のSIMMER-IIIコードのモデル検証・改良などを行うものである。本年度は,共同研究の初年度として,低融点合金の予熱と吹き込みを可能とする実験装置一式の製作と気泡模擬形状の空間を有する固体資料を置いた状態でのラジオグラフィー可視化測定性確認試験を実施した。本報告書ではこの可視化測定性試験結果について報告する。

論文

軽水炉の炉心溶融事故解析研究

阿部 清治

東京大学学位論文, 0, 245 Pages, 1994/09

軽水炉の炉心溶融事故の進展を解析するために、THALESコード体系を開発した。同コード体系は、炉心の溶融落下や格納容器内での諸現象をモデル化している。また、新しい流動計算手法の採用により、原子炉冷却系内の事故の進展を高速で解析できる。同コード体系の検証のためには、燃料損傷実験の解析や詳細熱水力計算コードとの比較解析を行い、THALESが炉心溶融事故の解析に必要な精度を有していることを確認した。次いで、別途開発された炉心溶融事故時FP放出・移行挙動解析コードARTとTHALESとを結合し、事故時ソースターム評価用コード体系THALES/ARTを確立した。同コード体系を用いてBWRとPWRについての感度解析計算を実施し、原子炉冷却系内での事故の進展、格納容器内での事故の進展、ソースタームを支配する因子を明らかにした。

論文

Comparative study of source terms of a BWR severe accident by THALES-2, STCP and MELCOR

日高 昭秀; 梶本 光廣*; 早田 邦久; 村松 健; 坂本 亨*

ANS Proc. of the 1992 National Heat Transfer Conf., p.408 - 416, 1993/00

シビアアクシデントに関する解析モデルのうち、その不確かさがソースターム評価に大きな影響を及ぼす現象の解析モデルを同定するため、原研が開発したTHALES-2及び米国NRCが開発したSTCP,MELCORを用いて、BWRシビアアクシデント時のソースタームについて比較研究を行った。対象とした事故シーケンスはECCSの不作動を伴う小破断LOCAである。本研究では、主要事象の発生時刻及びソースタームに関して比較し、解析モデルの違い及びその違いがソースタームに及ぼす影響について検討を行った。その結果、炉心溶融進展モデルの差が事故進展に大きな影響を与え、沈着したCsIの再蒸発現象をモデル化しているか否かがソースタームに大きく影響することが明らかになった。ソースタームに影響を与える解析モデルとして、燃料棒の溶融進展モデル、炉心支持板損壊及び全炉心崩壊モデル、再蒸発モデル、溶融物中のクラスト形成モデルが同定された。

報告書

高速増殖炉大型炉の安全性に関する検討

森山 正敏; 中井 良大; 丹羽 元; 三宅 収

PNC TN9410 92-068, 73 Pages, 1992/03

PNC-TN9410-92-068.pdf:2.12MB

「もんじゅ」以降の大型高速増殖炉の安全性に関する仕様の選定に役立てるため、平成3年度に以下の項目を検討した。・格納施設の設計条件の検討・炉心損傷評価のシナリオの検討・PSA手法の適用性検討本報告書は、これらの検討に際して用意された資料をまとめたものである。

報告書

動燃における安全研究の成果(昭和61年度$$sim$$平成2年度)(動力炉分野)

not registered

PNC TN1410 92-026, 113 Pages, 1992/01

PNC-TN1410-92-026.pdf:11.01MB

本報告書は、平成2年度までの新型転換炉及び高速増殖炉にかかわる安全研究の3年間の成果について、とりまとめを行ったものである。新型転換炉の安全研究は、(1)通常時及び異常な過渡変化時にかかわる研究、(2)事故時にかかわる研究、(3)シビアアクシデントにかかわる研究の3分野で構成され、また高速増殖炉の安全研究は、(1)安全設計・評価方針の策定にかかわる研究、(2)事故防止及び影響緩和にかかわる研究、(3)事故評価にかかわる研究、(4)シビアアクシデントにかかわる研究の4分野で構成されている。さらに、本報告書では、「原子力施設の耐震安全性に関する研究」並びに「確率論的安全評価に関する研究」に含まれる高速増殖炉及び新型転換炉に関する研究課題も合わせることで、「動燃における安全研究の成果(昭和61年度$$sim$$平成2年度)(動力炉分野)」として、とりまとめを行った。

論文

PSA research and severe accident research at JAERI

斯波 正誼*; 飛岡 利明; 早田 邦久; 阿部 清治

Proc. of the 8th Pacific Basin Nuclear Conf., p.3-A-1 - 3-A-9, 1992/00

原研の原子力施設の安全研究は、「原子力施設等安全研究年次計画」に基づいて進められている。1986年度-1990年度の年次計画でも、1991年度-1995年度の年次計画でも、PSA研究とシビアアクシデント研究は特に重点を置くべき研究として指定されている。本報では両研究の現状を紹介する。PSA研究では、信頼性解析、炉心損傷事故解析、地震リスク解析等のための手法が既に開発されている。現在は、手法開発よりもその応用に重心が移っており、様々なスコープのPSAが実施されている。シビアアクシデント研究では、燃料損傷、溶融進展、核分裂生成物放出・移行、格納容器等の健全性等に関し、現象の理解を深めるための実験が実施されている。また、計算コードの開発や性能評価もなされている。

報告書

もんじゅPRA-プラント応答定量評価; PLOHSとLORL時のメンテナンス冷却系の利用

山口 彰*; 長谷川 俊行*

PNC TN9410 88-055, 111 Pages, 1988/06

PNC-TN9410-88-055.pdf:5.87MB

原子炉スクラムを伴う荷酷事故には、除熱失敗(PLOHS)と液位確保失敗(LORL)がある。これらの事故の進展は緩慢であるため、メンテナンス冷却系(MCS)を利用すれば炉心溶融を回避できる。本研究では、MCSによる除熱の成立性を検討し、もんじゅPRAに適用できる除熱の成功基準を求めた。そのためにMCSを起動する時のプラント応答解析を、除熱喪失場所、健全なループ数、除熱喪失時刻、MCS起動時刻をパメラータとして、SSC-Lによって実施した。解析の結果、1)崩壊熱除去系で除熱喪失する場合には、2ループ以上健全ならば炉停止直後からMCSによって崩壊熱除去が可能であること、2)2時間以上崩壊熱を除去していれば、その後に主冷却系から冷却材が全く供給されなくなったとしてもMCSのみによって除熱可能であること、3)オーバーフロー汲み上げ失敗によるLORLは、MCSによって炉心溶融を回避できること等が示された。MCS荷酷事故時に使用する場合の熱荷重による配管破損についても検討した結果、MCS配管の構造設計の安全裕度が十分にあるため、構造健全性は維持されることが示された。以上の解析結果に基づき、MCSの利用によりPLOHSとLORL時に炉心溶融を回避する成功基準と、MCSの活用を考慮した崩壊熱除去成功と原子炉容器液位確保成功のイベントツリーを提案した。

報告書

炉心溶融事故時FP移行挙動解析コードARTの使用手引

石神 努; 坂本 亨*; 小林 健介; 梶本 光廣*

JAERI-M 88-093, 89 Pages, 1988/05

JAERI-M-88-093.pdf:2.2MB

原子炉の安全評価手法の1つである確率論的リスク評価手法においては、炉心が溶融し多量の核分裂生成物(FP)が環境へ放出されるような炉心溶融事故が、公衆に及ぼすリスクという観点から重要である。炉心溶融事故時のリスクを評価するには、事故時にFPが環境へ放出される時期、量、核種等が必要であり、これらの情報を得るため炉心溶融事故時のFP移行挙動解析を行う計算コードARTを開発した。ARTコードの主な特徴は、(1)1次系と格納容器の両方の系でのFP移行を扱えること、(2)気相及び液相の流れによるFPの移行を扱えること、(3)事故時に多量に発生するエアロゾルの移行挙動が詳細にモデル化されていることである。本報告書は、ARTコードの使用手引書であり、計算モデルの説明、入出力説明、及びサンプルランを含む。

論文

Sensitivity study on PWR source terms with THALES/ART code package and effects of in-vessel thermal-hydraulic models

阿部 清治; 渡邉 憲夫; 井田 三男; 坂本 亨; 石神 努; 原見 太幹

Proc.on Probabilistic Safety Assessment and Risk Management PSA87, Vol.3, p.945 - 950, 1987/00

PWRの過酷事故時ソースタームについて、原研が開発したTHALES/ARTコード・パッケージによる感度解析計算を実施した。対象プラントは、米国のIndian Point3号機とした。まず、標準ケースとして、小破断LOCA、大破断LOCA、全給水喪失時に蓄圧器以外のECCS不作動という、3つの事故シーケンスを解析した。次いで、それぞれ標準ケースと、入力パラメータを1回もしくは1組変えた計算を次々行い、それが事故進展やFPの放出・移行挙動に及ぼす影響を評価した。米国NRCやIDCORプログラムのソースターム評価の結論同様、ソースタームが想定する事故シーケンスとプラントの設計詳細に依存するとの結論が得られた。

論文

Overview of development and application of THALES code system for analyzing progression of core meltdown accident of LWR´s

阿部 清治; 西 誠*; 渡辺 憲夫; 井田 三男*; 野口 俊英*

Proc.2nd Int.Topical Meeting on Nuclear Power Plant Thermal Hydraulics and Operatiions, p.6 - 49, 1986/00

確率論的安全評価手法開発の一環として、炉心溶融事故の進展を解析する計算コード・システムTHALESを開発した。同コード・システムは、従来この分野で用いられて来たMARCHコードと異なり、PWRの一次冷却系やBWRの原子炉冷却系の流動を多数ノードで扱える。溶融ノードを次第に下方に移動させることができるメルトダウン・モデルを有する等の、多くの特徴を有している。同コード・システムを用い、これまでPBFの重大燃料損傷実験、PWRの圧力容器内・格納容器内事故進展に関する感度解析、BWRの発電所停電事故の解析等を行ってきた。本報では、THALESの全コードが完成したことを機に、同コード・システムの特徴と、これまでの解析の主要な結果及び結論についてまとめる。

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